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乳房再建保険適用への道(その2)~いよいよ7月からインプラントによる再建に保険が適用になります。 [乳房再建]

前回、保険が適用になる時期は、いつになるやら・・・と書きましたが、
厚生労働省中央社会保険医療協議会(中医協)が、6月12日、乳がんの全摘手術後の乳房再建に使う人工乳房への保険適用を承認しました。適用されるのは7月からです。

1.保険が適用になる中医協が公開した医療機器のリストです。
シリコンインプラントとエキスパンダーの情報が掲載されています。

資料名:「医療機器の保険適用について(平成25年7月収載予定)」
中央社会保険医療協議会 総会 (第243回)資料 (平成25年6月12日付)
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000033s56-att/2r98520000033s92.pdf

2.関連新聞記事
以下の朝日と日経の記事を読むとだいたいのことがわかります。

(参考)朝日(6/12付)
http://www.asahi.com/national/update/0612/TKY201306120258.html

人工乳房に公的保険適用 患者の費用負担、大幅減
【大岩ゆり】乳がん患者が乳房を切除した後、乳房再建に必要な人工乳房や関連手術に公的医療保険が使えるようになる。厚生労働省の中央社会保険医療協議会が 12日、了承した。これまで自己負担で100万円以上かかっていたが、7月以降、大幅に軽減される。

対象は、乳がんで乳房内の乳腺を全摘した患者。毎年約6万人が新たに乳がんになり、約4割が乳房を全摘している。

これまでの乳房再建では、自分の腹部や背中の皮膚や脂肪を移植する方法しか保険が使えなかった。この手法は、体の健康な部分を切らなければなら ず、傷痕が残るという欠点もあった。

新たに保険適用される乳房再建術は、がんの切除後、まず皮膚の下に器具を入れて、周囲の皮膚や筋肉などを膨らませ、数カ月後にシリコーンでできた 人工乳房を入れる。

今回、米系医薬品会社アラガン・ジャパン(東京都)の人工乳房などに保険が適用され、手術や麻酔などの関連費用すべてに保険が使えるようになる。 高額療養費制度も使えるようになり、負担額は従来の1~2割程度になる見通しだ。

ただし、今回認められた人工乳房は円形のもので、実際の乳房に形がより近い、後発の「しずく形」はまだ製造販売の承認申請中で、今回の保険適用の 対象外 だ。乳がん患者1千人以上の乳房再建を手がけてきた、がん研有明病院の沢泉雅之形成外科部長によると、自費診療の乳房再建では、9割以上の女性 が、しずく 形を選ぶという。

沢泉さんは「人工乳房への保険適用は、女性にとって乳房がいかに大切かが、公的に認められたということで意義は大きい。しずく形も、早く承認して 欲しい」と話している。

米女優アンジェリーナ・ジョリーさんが受けたような、遺伝性乳がんの予防切除後の乳房再建や、美容目的の手術には保険は使えない。

日経(6/12付)
http://www.nikkei.com/article/DGXNASDG1203Y_S3A610C1CR8000/

人工乳房に保険適用 7月から、乳がんで全摘出対象
厚生労働省の中央社会保険医療協議会(中医協)は12日、乳がんの全摘手術後の乳房再建に使う人工乳房への保険適用を承認した。国内では初めて で、7月から適用が始まる。乳がん患者は増加傾向が続いているが、乳房を切除した後の人工乳房による再建は自費診療だった。保険適用になると原則 3割の自己負担で済み、普及を後押ししそうだ。

中医協が保険適用を承認したのは、米国の医薬品・医療機器メーカーの日本法人、アラガン・ジャパン(東京・渋谷)の人工乳房と、人工乳房を体内に 入れる際に皮膚を伸ばすのに使う皮膚組織の拡張器。価格はそれぞれ6万9400円、3万2100円で、患者の自己負担は3割となる。

アラガン社によると、従来乳房再建を行う患者は、並行輸入された人工乳房や皮膚組織拡張器の費用のほか診療費や入院料など含め、全体で70 万~90万円ほどかかるコストを自費でまかなっていた。これらの費用も公的医療保険でカバーされるため、患者負担は3分の1程度に大幅に軽減され ることになる。高額な医療費を一定額に抑える高額療養費制度も活用すれば、負担はさらに少なくなる。

乳がんは女性のがんと診断される部位別でトップ。年間の新規患者数は推計で6万人程度まで増加している。乳がんはホルモンの影響のほか、出産歴が ないことや初産年齢が遅いこと、飲酒などがリスク要因と指摘される。早期発見できれば生存率が高い。乳房切除による治療も選択肢としてとられる。

今回の人工乳房などへの保険適用は、乳がんが見つかり乳房を全摘出した後の再建術に限られる。米女優のアンジェリーナ・ジョリーさんが実施したこ とで話題となった、予防のための乳房切除には適用されない。

乳房再建ではこれまで、患者自身の腹部の脂肪などを移植して使う「自家再建」は保険適用が認められていた。今回、人工乳房も保険適用が承認された のは、乳がん治療によって失われたものを元の形に戻すことから「治療の一環としてとらえられ、美容整形目的とは異なる」(厚労省)と判断されたた めだ。

自家再建は自然な温かみがあるなどのメリットの一方、健康な体の部分を傷つけ負担が大きいデメリットがある。人工乳房は体を余分に傷つける必要が なく、自然な形を作りやすい半面、シリコーン素材が冷たく感じられるなどの違和感を覚える人もいる。

人工乳房には保険がきかず費用負担が大きいのも欠点だったが、今回の保険適用でハードルが低くなる。アラガン社は、今回の対象品より形状や材質が 自然に近い新型の人工乳房も、医療機器として承認申請中。今後乳がん治療の選択肢がより広がる可能性がある。


最近、FBの方で情報発信がメインになってしまったため、こちらのブログの方がなかなか更新できなくなってしまいました。(反省)
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