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患者会に参加してみました。 [雑感]

手術後、8週間、約2ヶ月がたちました。
仕事にも復帰して、1ヶ月です。産業医の指導で、次の1月の面談日まで、1日6時間勤務のため、毎日5時前には失礼させてもらっています。まだ明るいうちに帰るのは、申し訳ないですが、夕方のラッシュ前の電車に乗って帰れるので、助かっています。

先日、用事があったので、いつもなら地下鉄の駅に直行してしまうところ、新橋側の地上を愛宕山の方向に歩いてみました。いつもその時間帯は働いているので、夕暮れ時のまちの風景が新鮮に思えました。そして、目の前にライトアップされた、赤と白の大きな東京タワーが見えてきました。
「あれっ。東京タワーって、こんなに近くにあったんだ・・・。」25年もこのまちで働いてきたのに、当たり前すぎて、存在に気がつかないものってあるものだと思いました。

前のブログにも書きましたが、私は、つい最近、再発・転移の恐怖の取りつかれてしまいました。
乳がんとは何か、とか検診・検査方法、初発の治療法についての情報を提供しているサイトはたくさんありますが、再発・転移の発症の状況や治療法、あるいは、再発予防治療中の患者の心のケア等については、情報を提供しているサイトはそんなにありません。

そんな中、私が、「信頼できる情報サイト」の記事中でおすすめしている日経BP社「がんナビ」で、乳がん患者のQOLの向上を目指すサポートグループを運営している元乳がん患者女性のインタビュー記事を見つけました。共感できる点が多かったので、そのグループが開催するサロン、いわゆる「患者会」というものに参加してみました。

実はゆこさんは、「患者会」という言葉の響きが好きではありません。私はもうがんを取り去ってもらったので、「患者」と呼ばれるのには抵抗があるし、「患者」というと、病気になってしまったカワイソウな人、つまり、世間から同情されているようなイメージがあって、受け入れがたいためです。

Anyway, その患者会は、夕方6時から都内の区役所の会議室を使って開催されていました。6時開始でしたが、遅れて参加する人が多く、最終的には12人位の参加者が集まり、半分は今回が私のように初めての参加でした。既に術後、数年経っている人、最近手術が終わったばかりの人、術後、ホルモン治療や抗がん剤治療受けている人、同時再建中の人の他、最近、がんと診断され、これから病院や医師を選ぶ人など、実に様々な段階の人たちが集まりました。

とりあえず、到着順に自己紹介と自分の乳がんの状況等について、リレートーク形式で数分ずつ、話しをていきます。遅れてくる人が多いので、結果何周も回ることになります。全員が発言するという点はいい方法ですが、一言で終わってしまう人、たくさん話す人と、様々でした、

主催者であるサポートグループから3名の元乳がん患者が世話役として同席し、参加者からの質問に対し、その都度、答えてもらうしくみとなっています。その中で、会の中心となり、私たちの質問に手際よく答えてくれた女性のニックネームに聞き覚えがあったので、尋ねてみたら、以前、私がよく閲覧していた乳房同時再建患者サイトを運営している方でした。この方は1999年発症なので、乳がん歴が12年以上になるのですが、最近肺への転移が発見されたそうで、現在ホルモン治療中です。見た目はとても元気そうです。

もう1人の世話役の方は、十数年前、若干27歳で発症し、絶対的な存在の父親の知り合いという理由で呼吸器外科医が乳がんの摘出手術を行ったそうです(驚き!)。この方は発症後10年以上がたっていますが、発症が若かったこともあり、今も再発・転移を心配しているそうです。そして、その状況には、もう慣れたといっていました。

このお二人の方が、実によく勉強されていて、自分たちの経験談を交えながら、参加者からの質問に、要領よく的確に答えて下さっているのが印象的でした、また、参加者側も礼儀正しく、おだやかな雰囲気で、(何も知らなければ、誰も乳がん患者の集まりとは思いません。)会は進んで行きました。私にとって、ショックだったのは、明らかに自分より若いと思われる人、どうみても30代の人がたくさんいたということ、もしかして乳がんは、都会の「社会病」なのでは。

そして、今回、わかったこととしては、乳がん治療後も、多くの人が、再発・転移の不安を抱え、一人病んでいるということ、また自分で不安になって乳がんの情報を調べ始めると、私の場合のように負のスパイラルに陥ってしまい、そのような相談にのってもらえる外部のサポートを必要としていることでした。

自己紹介3周目に入ったあたりから、申し訳ないですが、もうこれ以上人の話を聞くのは十分という気持ちになってしまったため、途中退席しました。あの調子でいけば、金曜の夜だし、際限なく、このお話会は続いていくと思われました。
それだけ、自分の乳がんについて不安を抱え、誰かの話を聞きたい、自分の話を聞いてもらいたいという患者が、世の中に多いということなのでしょう。

しかし、他人の話を聞くのもエネルギーが必要です。今回の患者会は、せっかくグループから世話役が3人出席していたので、参加者の状況や興味によって、グループ分けをすればもっと効率的に、話を聞けたのではないかと思いました。
そして、私はやはり、患者側の席に「患者」として座ることにしっくりできませんでした。参加して良かったとは思いますが、これから、もう、この種の集まりに出ることはないだろうと思いました。

ただ、今回は、乳房を再建中の人、再建を終了した人、これから再建を検討している人と、話しができたところが収穫ありでした。偶然、私と同じ病院で、意外な?医師から、同時再建手術を受けた人にも会いました。

私の結論として、「患者会」については、患者同士が、経験や知識を共有し、助言しあい、互いに学び合って向上していく場となれれば、非常に有効な患者のQOL向上のための活動の場だと思います。
しかし、実際の患者会は、異なる世代、性格、職歴、がんの治療段段階、等にある女性の偶然の?集まりであるため、自由に話させていたら、議論が収束せず、町内会のごみ置き場前の井戸端会議?状態になってしまう可能性があります。(事実、ここには書けないよう内容の都市伝説みたいな話もでました。)

世話役やボランティアの方が、同席してくれるとはいえ、知識や経験は豊富だとしても、所詮は素人なので、話が間違った方向に向かってしまう可能性もないとはいえません。(今回お話下さったお二人も、発症後10年以上経過されていますので、当時と現在では、検査・治療方法がかなり変わっていると思います。)

そうした可能性に対処するため、科学的な根拠や専門的知識に基づいて、話し合いを軌道修正することができる専門的な資格(医療従事者、心理カウンセラー、乳がん体験アドバイザー等)を有する方のサポートが、患者会の運営には必要ではないかと感じました。

今回、たくさんの元・現役の乳がん患者からお話を聞いて、乳がんという病気は、本当にたちが悪く、残酷な病気だと、つくづく思いました。しばらく隠れていたくせに、こっそり、突然現れるとか、そのくせ、進行が遅く、のろのろと進むというのは、勇義悪いというか、もしそんな人間がまわりにいたら、絶対、許せないです。関係者の皆様には、早くこの憎たらしい乳がんの正体を突き止めていただき、一刻も早くこの病気を完全撲滅してほしいものです。


◯「がんナビ」(日経BP社)のページへのリンク
1.再発を早く見つけても予後は変わらない」は本当か
小山千穂=チャンゴ・ジャパン
乳がんの再発は、早期に発見しても予後は変わらないとうエビデンスがある。しかし治療の現場では、再発の発見を目的に、骨シンチグラフィやCTなどを用いた検査が定期的に行われているのも事実。これらの検査は本当に必要なのだろうか。今、その有用性を確かめるための臨床試験も走り出そうとしている。
<記事を読む>
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/cancernavi/report/201112/522661.html

2.先輩患者からのアドバイス 闘病生活をうまく乗り越えるためにお互いの声を聴き合いましょう (2008.7.29) VOL-Net 伊藤朋子
2000年、乳がんの手術を受ける。2002年、勤めていた会社を退職し、心理学を学ぶために大学に進学。同時に乳がん患者の仲間たちと「声を聴き合う患者たち&ネットワーク「VOL-Net」を立ち上げ、患者会活動も開始。現在、乳がん専門クリニックでも患者サポートを行っている
<記事を読む>
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/cancernavi/series/study/200807/100191.html

◯リスミンの乳がん日誌
ゆこさんがお勧めする乳がん患者さんのサイトです。(上記記事中の世話役をして下さった方のひとり)
http://homepage3.nifty.com/by/
*文章の感じから、頭がよく、自分の考え方を持った女性という印象です。

サイト中の以下の記事は、特におススメです!((サイトより抜粋)
・主治医選び・病院選びについて
http://homepage3.nifty.com/by/nikki0028.html
・良い病院とは?
http://homepage3.nifty.com/by/nikki0046.html
・医療への幻想
http://homepage3.nifty.com/by/nikki0040.html
・医療制度の危機
http://homepage3.nifty.com/by/nikki0038.html
・乳がんの早期発見のチャンス(リスミンのひとりごとより)
http://homepage3.nifty.com/by/nikki0000.html
・がん細胞の増殖速度
http://homepage3.nifty.com/by/nikki0035.html
・手術後にすべきこと
http://homepage3.nifty.com/by/nikki0020.html
・万が一、再発してしまったら・・・
http://homepage3.nifty.com/by/nikki0021.html
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